羽毛布団を使うと喘息になる?正しい原因と対処法を解説
「羽毛布団を使いたいけど喘息が心配」「喘息と羽毛布団の関係を教えてほしい」などと考えていませんか。寝心地がよいため、喘息でも羽毛布団を使いたい方は多いでしょう。
結論から述べると、羽毛布団も綿布団や化繊布団などと同じく、喘息の症状を悪化させる恐れがあります。ただし、構造上の特徴から他の布団よりもリスクは低いと考えられます。また、リスクをコントロールすることも可能です。
ここでは、羽毛布団と喘息の関係、羽毛布団の扱い方などを解説しています。購入を検討している方は参考にしてください。
喘息の原因とは
喘息の原因は、子どもの喘息(小児喘息)と大人の喘息(成人喘息)で異なるケースが多いとされています。
子どもの喘息は9割以上にアレルギーの関与が認められるのに対し、大人の喘息は6割程度しかアレルゲンを発見できないそうです(アレルゲンを発見できない喘息を非アトピー型喘息といいます)。[1]とはいえ、半数以上にアレルゲンが関与している点は見逃せません。
喘息を発症すると炎症により気道が敏感になるため、さまざまな要因が発作や症状の悪化を招くと考えられています。具体的には、喫煙・アレルゲン(ダニ・カビなど)・呼吸器感染症(風邪・インフルエンザなど)・大気汚染などの影響を受けやすいようです。
原因を見極めるとともに、生活環境を整備することが重要といえるでしょう。
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羽毛布団が原因で喘息が出ることがある?
喘息に悩まされている方の中には「羽毛布団が発作などの原因になるのでは」と心配している方もいるでしょう。ここでは、羽毛布団と喘息の関係について解説いたします。
羽毛の吹き出しやほこり
羽毛布団を使用することで、喘息の症状が悪化する可能性はあります。原因のひとつとしてあげられるのが羽毛の吹き出しです。吹き出しは布団から羽毛の一部(羽毛がちぎれてできた羽毛クズ)が飛び出すことを指します。これに反応して喘息の症状が悪化する恐れがあるのです。
羽毛布団には、吹き出しを予防するダウンプルーフ加工が基本的に施されています。ダウンプルーフ加工は、圧力で生地の織り目を潰して吹き出しを防ぐ加工です(他の加工法もあります)。この加工は使用とともに劣化します。一定以上劣化すると、吹き出しが生じやすくなってしまいます。
羽毛の吹き出しやすさは、製品の品質によっても異なります。一般論ですが、安価な羽毛布団は製造に十分なコストをかけられないため、吹き出しが生じやすいといわれています。
ちなみに、細かなほこりが劣化した羽毛布団の中に紛れ込むこともあります。喘息が気になる方は、このようなほこりにも十分な注意が必要です。
羽毛布団に付着するハウスダストやダニ
ダニを含むハウスダストも喘息の症状を悪化させる原因になりえます。問題になりやすいのが、羽毛布団の表面に付着しているハウスダストです。特に、縫い目は凹凸があるためハウスダストが溜まりやすいといえるでしょう。
表面に付着したハウスダストは、布団を移動させるときや布団を敷くときなどに空気中に舞い散ってしまいます。気づかずに吸い込むと、喘息の症状を悪化させてしまう恐れがあります。
ここで気になるのが、羽毛布団の中で発生するダニの影響です。一般的に、ダニは布団の中で繁殖するものと考えられています。前述の通り、羽毛布団はダウンプルーフ加工が施されているため、ダニの侵入を簡単には許しません。もちろん、絶対に侵入できないわけではありませんが、羽毛布団以外に比べると内部でダニが発生するリスクは低いといえます。
喘息の方でも使用しやすい布団といえるかもしれません。
羽毛布団のお手入れ方法
喘息が気になる方は、羽毛布団の扱い方を見直して就寝環境を整えることが大切です。ここからは基本的なお手入れの方法を紹介します。
ハウスダストを可能な限り遠ざける
ハウスダストは、家の中に存在する1ミリ以下のチリやホコリです。具体的には、ダニの死骸、ダニの糞、カビ、花粉、繊維くず、皮膚片などを指します。
ダニやカビは布団が湿気っていると繁殖しやすくなります。湿気が気になる場合は、布団を天日干しするとよいでしょう(側生地の劣化を防ぐためカバーをかけたまま干しても構いません)。布団乾燥機は、温度が高くなりすぎるため基本的にはおすすめできません。羽毛を痛めてしまう恐れがあります。
羽毛布団を優しく扱うことも大切です。乱暴に扱うと、羽毛がちぎれて吹き出る恐れがあります。押し入れなどに仕舞うときは、ふんわりとたたむように心がけます。
以上の対策をしてもハウスダストは発生します。羽毛布団に掃除機をかけると、ハウスダストの影響を抑えられます。ただし、振動を与えてほこりなどを吸い取る布団掃除機はおすすめできません。羽毛にダメージを与えてしまう恐れがあるからです。
こまめに換気をする
前述の通り、過度な湿気はダニやカビの原因になってしまいます。羽毛布団は基本的に湿気りにくいですが、取り扱う環境には注意が必要です。
例えば、布団を乾かさずに押入れへ仕舞う、寝室で洗濯物と一緒に干す、湿気がこもっている押入れに布団を仕舞うなどをしているとダニやカビのリスクは高くなります。
部屋を換気して布団を乾かす、部屋を換気して押し入れに新鮮な空気を送り込むなどの対策が必要です。こまめな換気により、部屋に溜ったハウスダストも排出できます。
定期的に布団を洗う
羽毛布団を定期的に水洗いすると、ハウスダストの多くを取り除けます。ただし、全ての羽毛布団を水洗いできるわけではありません。洗濯表示に従い適切に対処することが大切です。水洗い不可のものでも、ドライクリーニングできるものや専門店で洗濯できるものなどがあります。
羽毛布団を洗う際の注意点
ここまでの説明でわかる通り、羽毛布団はデリケートな製品です。洗濯するときは以下の点に注意が必要です。
家庭の洗濯機で洗うのは避ける
一部の羽毛布団は家庭でも洗濯できます。具体的には、洗濯桶マーク、手洗いマーク(以上洗濯表示)がついているものは、家庭でも洗濯できると考えられます。洗濯機で洗いたい場合は、洗濯機の取扱説明書も確認が必要です。羽毛布団に対応していることを確かめなければなりません。洗濯機を使用できない場合は浴槽などで洗えます。いずれにせよ、羽毛布団を傷めないように丁寧に扱うことが大切です。
家庭で洗うことはできるものの、家庭での洗濯は積極的におすすめできません。洗濯以上に乾燥が難しいからです。湿度の低い晴れた日に風通しのよい場所で陰干ししますが、1日では乾ききらないことがあります。生乾きのまま取り込むと、ダニやカビ、悪臭などの原因になってしまいます。心配な方は、専門店などで相談するほうがよいでしょう。
コインランドリーで洗う際は自己責任で
コインランドリーでも羽毛布団を洗えます。大きな羽毛布団を洗える点と乾燥まで行える点が魅力といえるでしょう。
コインランドリーを利用する場合、羽毛布団がタンブラー乾燥に対応していることを確かめておかなければなりません。洗濯・乾燥できる場合でも、羽毛布団を痛めてしまう恐れはあります。
高価な羽毛布団を洗いたい場合は注意が必要です。コインランドリーは自己責任で利用しましょう。
場合によっては仕立て直しを考える
羽毛布団の状態によっては、洗濯よりも仕立て直しをするほうがよいこともあります。一例として、生地が劣化して羽毛が飛び出しているケースがあげられます。このような羽毛布団は洗濯を避けるほうが無難でしょう。
生地を仕立て直すことで、新品に近い状態へ戻せる可能性があります。ただし、仕立て直しには一定の費用がかかります。買い替えも含めて検討を進めてみてはいかがでしょうか。
高級布団をお探しの方は以下をご覧ください。
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まとめ
羽毛布団は、喘息の症状を悪化させることがあります。ちぎれた羽毛が吹き出すことやハウスダストが付着することなどがあるからです。これらは、羽毛布団の扱い方を見直すことで管理できます。
例えば、湿気を取り除く、丁寧に扱うなどが考えられるでしょう。製品選びも喘息の症状を抑えるポイントです。良質な素材を使って丁寧に作られた羽毛布団は、トラブルを起こしにくい傾向があります。これから購入する方は、羽毛布団の質にも注意するとよいでしょう。
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[1]独立行政法人環境再生保全機構「はじめてぜん息と診断された方へ」