羽毛布団の膨らませ方をお手入れの方法とともに解説!
「圧縮袋で保管していた羽毛布団が膨らまなくなった」「快適性を取り戻すため膨らませ方を教えてほしい」などと考えていませんか。羽毛布団がぺちゃんこになると、保温性などは低下します。安価なものではないため、元の状態に戻したいと考えている方は多いでしょう。
ここでは、ぺちゃんこになった羽毛布団の膨らませ方と羽毛布団の正しいお手入れ方法などを解説しています。羽毛布団の状態でお困りの方は参考にしてください。
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羽毛布団の膨らませ方
羽毛布団がぺちゃんこになっている場合は膨らませてから使用しましょう。体温が伝わりやすくなるため、寝心地がよくなります。
膨らませ方は、羽毛布団の状態などで異なります。ケース別の膨らませ方は次の通りです。
使い始めの場合
購入したばかりの羽毛布団は、ぺちゃんこになっているケースが多いでしょう。空気を抜いてコンパクトなケースに収めているためです。使用前に空気を入れて膨らまさなければなりません。
基本的な手順は次の通りです。
【膨らませ方】
- ケースから出して羽毛布団を広げる
- 足側から布団の側面をもって優しく振る
- 頭側から布団の側面をもって優しく振る
- 布団全体を優しくほぐす
以上の作業で羽毛布団は膨らむはずです。ただし、ひとつひとつのダウンボール(タンポポの綿毛のような羽毛)がふっくらと膨らむわけではありません。現状では塊になっていたものが離れた状態です。ダウンボールが膨らむまで、通常は2~3日程度かかると考えられています。店頭で見たときよりも厚みがないと感じる場合は、この期間を目安に様子を見ましょう。
羽毛の片寄りを直す場合
多くの羽毛布団は、キルティング加工を施して羽毛の片寄りを防いでいます。しかし、使用中に羽毛が片寄ることがあります。片寄りが生じると温かさにムラが生じるため快適に眠れません。ここからは、羽毛の片寄りを治す方法をケース別に紹介します。
同じマスの中で片寄っているとき
羽毛布団のマスが大きいときやダウンボールが小さいとき、スモールフェザー(腹部の小さな羽)が多いときに起こりやすいトラブルです。これらにあてはまると、マスの中で羽毛が動きやすくなります。空間に余裕がありすぎる、あるいは空間に対して羽毛が十分に膨らまないためです。安価な羽毛布団で発生しやすいトラブルといえるでしょう。
片寄りが生じているマスが限られている場合は専門店で羽毛を足してもらいます。ただし、全ての専門店がこのサービスを提供しているわけではありません。依頼前にサービス内容の確認が必要です。すべてのマスで片寄りが生じている場合は、羽毛布団の品質に問題があると考えられます。簡単には状態を改善できないため買い替えを検討しましょう。
マスを移動して片寄っているとき
マスの仕切り部分がほつれているときや通常の立体キルトを採用しているときに起こりやすいトラブルです。
通常の立体キルトは、仕切り部分に羽毛を吹き込むための穴が開いています。したがって、時間の経過とともに仕切り部分を超えて羽毛が移動することがあります。マスを超えて羽毛が移動すると、温かさのムラが大きくなるため快適に眠れません。
マスの仕切り部分がほつれているときは、羽毛布団の打ち直しで改善できる可能性があります。羽毛が大きなダメージを受けていない場合は、新品に近い状態へ戻せるケースが多いでしょう。まずは専門店へ相談することをおすすめします。
仕切り部分がほつれていない場合も布団の修理が必要です。具体的には、羽毛がなくなったマスに新しい羽毛を追加します。
ただし、根本的な問題が解決するわけではありません。根本的な解決を目指す場合は、側生地の交換あるいは羽毛布団の買い替えが必要です。買い替えるときは、マスを超えて羽毛が移動しない加工を施した製品を選ぶとよいでしょう。
膨らまない状態のマスがあるとき
羽毛はあるものの、一部のマスだけ膨らまなくなることもあります。首元のマスで生じるケースが多いでしょう。主な原因は羽毛の劣化です。首元は汗や皮脂などの汚れが付着しやすいため劣化が激しくなる傾向があります。
基本の対処法は布団の打ち直しです。一部のマスだけ羽毛が膨らまない場合、他のマスの羽毛も汚れていたり劣化していたりすることが少なくありません。
打ち直しでは、羽毛を取り出して洗浄などをしたうえで不足している羽毛を追加してもらえます。劣化の程度が軽い場合は、羽毛布団のクリーニングで対処できることもあります。
襟元の汚れが気になる方は、掛布団カバーまたは掛布団用の襟カバーを使用するとよいでしょう。
ぺしゃんとなっているマスがあるとき
マス内の羽毛がぺちゃんこになってしまうこともあります。汗などで羽毛が湿気っているときなどに起こりやすいトラブルです。羽毛布団は湿気がこもりにくいですが、使い続けているとそうとは言い切れなくなります。綿毛部分に湿気や汚れなどが絡みつきやすくなるためです。
基本の対策は布団の陰干しです。湿気を取り除くことで、膨らみを取り戻せることがあります。風通しのよい場所(室内でも構いません)で、羽毛布団を広げておくとよいでしょう。
陰干しで改善しない場合はクリーニングを検討します。湿気や汚れを取り除くことで、状態を改善できる可能性があります。痛みが目立つときは、打ち直しを検討するとよいでしょう。
羽毛布団の正しいお手入れの方法
羽毛布団のトラブルは、正しいお手入れを心がけることで防ぎやすくなります。ここでは、基本のお手入れ方法を紹介します。
月に1~2回天日干しする
湿気を取り除くため、月に1~2回を目安に天日干しをします。湿気を取り除くことで、ダニやカビの繁殖を予防できるうえダウンボールも膨らみやすくなります。天日干しをする時間の目安は片面1時間ずつ程度です。
長時間、干さない理由は、紫外線で側生地を傷めてしまう恐れがあるからです。側生地が傷むと、羽毛の吹き出しなどのリスクが高まります。この点が心配な方は、布団カバーをかけたまま天日干しをするとよいでしょう。
定期的に洗濯する
羽毛布団は基本的に水洗いできます。洗濯することでダニや汚れなどの大部分を取り除けます。定期的な洗濯も取り組みたいお手入れです。ただし、家庭で洗濯した布団を完全に乾かすことは難しいかもしれません。
特に、厚手の羽毛布団は注意が必要です。湿気ったまま取り込むと、ダニやカビが繁殖する原因になりえます。したがって、家庭での洗濯は基本的におすすめできません。
不安を感じる方は、専門店をできるだけ利用しましょう。
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洗濯表示を事前に確認する
自宅で洗濯する場合は、洗濯前に洗濯表示の確認が必要です。洗濯桶マークあるいは手洗いマークがついているものは家庭で洗濯できます。反対に、洗濯桶マークにバツがついているものは家庭で洗濯できません(〇にPマーク、〇にFマークはドライクリーニングが可能です)。
また、洗濯機を使用する場合は、洗濯機が羽毛布団に対応していることも確かめておく必要があります。対応の可否は、説明書などで確認できます。
羽毛布団の中の空気を入れ替える
程度の差はあるものの、羽毛布団は特有のにおいがあります。羽毛が含む油脂によるにおいです。高温多湿になるとにおいは強くなる傾向があります。においが気になる場合は、布団中の空気を入れ替えます。
具体的な方法は、布団をたたんでなかの空気を優しく押し出すだけです。この作業を数回繰り返すことでにおいを軽減できます。
関連記事:羽毛布団の寿命を左右するポイントと、長持ちさせるメンテナンス方法
羽毛布団の正しい収納方法
羽毛布団の収納方法にも注意が必要です。誤った方法で収納すると、ぺちゃんこになってしまう恐れがあります。ここからは正しい収納方法を紹介します。
シーツに包む
羽毛布団は湿気を取り除いてからシーツに包んで収納します。湿気は、風通しのよい場所で陰干しなどをすれば取り除けます。急いでいるときは、扇風機などで風をあてるとよいでしょう。
たたみ方は、シングルとダブル以上で異なります。前者は縦に三つ折り、後者は四つ折りしてから横に三つ折りします。コンパクトにしたいときは、羽毛布団を優しく押して空気を抜きます。
オフシーズンは収納ケースに入れる
季節が変わったなどの理由でしばらく使わないときは、湿気をよく取り除いてから専用の収納ケースに入れて保管します。購入時についていたケースまたはバッグでも構いません。
ポイントは、ファスナーを完全に閉めないことです。数センチ程度空けて、湿気がこもらないようにします。収納場所がない場合も、圧縮袋の使用はおすすめできません。羽毛に加え側生地も傷めてしまう恐れがあります。羽毛布団は丁寧に扱いましょう。
高級布団をお探しの方は以下をご覧ください。
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まとめ
羽毛布団がぺちゃんこになる原因はさまざまです。例えば、充填されている羽毛に対してマスが大きすぎる、使い続けたことで羽毛が劣化しているなどが考えられます。原因にあわせて対処することが重要です。
トラブルを予防したい場合は、羽毛布団の扱い方にも配慮が必要です。定期的な天日干しや洗濯を心がけるとよい状態を保ちやすくなります。また、羽毛布団の品質にも注意しましょう。
羽毛布団が膨らまないのは、圧縮袋などに入れるもの要因ですが、安価なフェザーの羽毛布団を使っているのも要因の一つです。この機会に買い替えをご検討されてはいかがでしょうか。
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