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羽毛布団は、少しワインに似ていると思っています。

瓶のラベルと、飲んだときの印象。その二つで、安いものから高いものまで値段が決まる。でも栓を開けるまで本当の中身は分かりません。

羽毛布団も同じです。

お客様の手元に届くのは縫い上がった一枚です。中に入っている羽毛そのものを、開けて確かめることはできません。頼りになるのは温かさ、寝心地、そしてタグに書かれた数字だけ。決して安くない買い物を、「見えない中身」を信じて選んでいただくことになります。

その見えない中身のなかでも私がとりわけ大切にしているのが、清潔さです。

だから私たちは、一つだけ手間を惜しまない工程があります。

日本でもう一度、羽毛を洗うことです。

2020年、私は初めてイタリアの原毛商と直接取引をしました。

その時、私はこう伝えました。

「この羽毛は、日本でもう一度洗います。」

するととても驚かれました。「なぜ、もう一度洗う必要があるんだ?」という反応でした。

現地でも十分に品質の高い羽毛です。そのまま製品にすることもできます。それでも私たちは日本でもう一度洗います。

理由は日本のお客様が求める品質がヨーロッパとは少し違うからです。

日本では羽毛の匂いや清潔さにとても敏感なお客様が多くいらっしゃいます。一方でヨーロッパではその感覚は少し異なります。

どちらが正しいという話ではありません。文化の違いです。

私たちは日本のお客様に安心して使っていただける品質を目指しています。だから白州でもう一度洗います。

私たちがお願いしている白州の洗浄工場では、南アルプスの地下天然水を使い、国内JIS規格の約2倍の水量で丁寧に洗浄しています。

余分な洗剤を使わず、水の力を活かしてじっくりと洗い上げます。手間も時間もかかります。

それでも、この工程を経ることで、羽毛本来の軽さや清潔さをより引き出せると私たちは考えています。

今では主力商品の一つである Clean Cycle Down も、この白州の洗浄がなければ生まれませんでした。

私たちにとって白州は、ただ羽毛を洗う場所ではありません。日本のお客様に自信を持ってお届けできる品質へ仕上げるための、とても大切な工程です。

だから今でも、この工程だけは、変えるつもりはありません。

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