羽毛布団を圧縮して収納するのはNG?正しい収納方法も解説
羽毛布団は水鳥から採った羽毛がたっぷり詰め込まれていますが、ふかふかだからといってそのまま体重をかけたり、圧縮をしたりしないほうが良いといわれています。
部屋の収納スペースが限られている場合は工夫して収納しなければなりませんが、なぜ羽毛布団では圧縮がNGとされているのでしょうか。
この記事では、羽毛布団の圧縮について避けた方が良い理由や圧縮せずに収納する方法をまとめています。正しい取り扱いをチェックしたい方は、ぜひ参考にしてください。
普通の布団のように羽毛布団も圧縮してよい?
羽毛布団はダウンの持つ長所を活かし、ふんわりとした肌触りと保温力をもつ寝具のため、圧縮は推奨されていません。
圧縮の方法としては直接体重をかけて平たくしていく方法、圧縮袋に入れる方法などが挙げられますが、いずれも中身の羽根には良くない影響を与えます。
収納する場所が狭く限られている場合は圧縮して収納する必要がありますが、そのまま保管できる場合は無理に力をかけず、折りたたむなどして収納してください。
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羽毛布団を圧縮してはダメな理由
羽毛布団を圧縮すると、どのような影響が考えられるのでしょうか。圧縮してはいけない4つの理由についてみていきましょう。
羽毛が閉じてしまうため
羽毛の一つひとつは「ダウンボール」とも呼ばれます。このダウンボールには元からの膨らみがあり、膨らみを数字で表したものが「ダウンパワー」と呼ばれる数字です。
ダウンパワーが大きな羽毛ほど保温性にすぐれているため高品質とされていますが、圧力がかかると羽根が閉じていき、持ち前のダウンパワーが減ってしまうのです。
ダウンパワーが減ると、布団のフワフワとした見た目だけではなく実際の機能面にも影響が出てきます。保温高価が下がり、布団をかけても暖かくならなかったり、体が冷えてしまったりといったデメリットが出てくるようになります。
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羽毛の羽軸やダウンボールなどが破損するため
羽毛布団を他の布団と同じように圧縮しようとすると、中に詰められている羽毛が圧力を受けて縮んでいきます。
羽根の毛の部分ではなく中心の核や羽軸(うじく)といった、全体を支える部分が圧力で潰れてしまうため、羽根全体のバランスが崩れてふんわりとした感触が失われてしまうのです。
羽毛布団の羽毛には水鳥の胸毛部分のダウンと、翼部分のフェザーが使われていますが、フェザーなどは羽軸が硬いため、圧力で潰れるとふんわり感を大きく損なう可能性があります。
圧縮して大きく潰れや凹みが生じるトラブルは、フェザーの配合率が高い羽毛布団や羽根布団で多く発生します。
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側生地が傷つくため
布団圧縮では強い力がかかるため、素材が傷む原因になります。中の羽毛だけではなく、羽毛を包んでいる外側の側生地(がわきじ)も同様です。
圧縮の際に手で押しつぶそうと何度も力をかけようとして生地に摩擦を与えたり、羽軸が折れてしまい側生地の方へ飛び出し、内側から生地に穴があいたりすることがあります。
側生地に穴があくと、その部分からは羽根が飛び出しやすくなります。圧縮して収納しているあいだは何事もなくても、再び使用するために取り出して空気を含ませたときに、一気に羽根が吹き出すおそれもあります。
穴があいた部分はすぐに補強しなければなりませんが、放置しているとどんどん羽根が出ていきボリューム不足になってしまいます。特にダウン率が低くフェザー率が高い羽毛布団の場合、羽軸が硬いため折れると簡単に側生地を突き破ってしまいます。
やむを得ず圧縮しなければならない場合は、フェザーの配合率が低い羽毛布団がおすすめです。
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羽毛布団に湿気がたまるため
羽毛布団は1本1本の羽根の力によってふんわりとした肌触りを実現していますが、圧縮すると全体が押し潰れていき、密着度が上がります。
羽根と羽根が密着した状態で長期間収納していると、十分に換気が行われなければ湿気を溜めてしまい、カビやダニの発生リスクが高まります。
コンパクトに場所をとらず収納できる圧縮方法ですが、天然素材をそのまま利用している羽毛布団には基本的に不向きといえるのです。
やむを得ず圧縮収納しなければならない場合は、定期的に取り出して乾燥・換気を行い、収納場所も通気性の良いところを選ぶなどの工夫が必要になります。
圧縮せずに羽毛布団を収納する方法
圧縮を行わずに布団を保管するためには、布団を畳んで収納しましょう。その際、カビやダニが発生しにくいように通気性の良いケースや袋を用意してください。
不織布などのケースに入れる
マスクにも使われている不織布製のケースや袋は、通気性が確保されるためカビや虫がわきにくく衛生的に保管できます。不織布ケースは、羽毛布団や毛布用の収納袋・収納ケースとして販売されています。
羽毛布団の収納は、事前にしっかりと乾燥させてほこりを取り除いた状態にする必要があります。掃除機などで軽くほこりを吸い取り、「振りさばき」と呼ばれる方法で羽毛が偏らないように均等にならします。布団のへりを両手で持って、バサバサと降って羽毛の位置を均等にするイメージです。
振りさばいたあとは布団を縦にして、縫い目に沿って3分の1ずつ左右から畳みます。縦長になった状態で、さらに上と下から3分の1ずつ畳めば完成です。
シーツに包む
収納袋が用意できなければ、シーツを代用品として使うことができます。羽毛布団にかけていたカバーを外して、軽くほこりなどを取ってから振りさばきを行い、不織布ケースに入れるときと同じ要領でコンパクトに折りたたみます。
次に、シーツを床に広げておきます。コンパクトになった羽毛布団を中央に置いて、シーツ全体で覆うようにして包みます。布と布の端同士を縛っておけば、畳んだままの布団が型くずれせずに収納できます。
シーツも不織布と同様に、薄手で通気性の良い素材のものを選ぶとカビが生えにくく清潔に保管できます。
羽毛布団を収納する際の注意点
羽毛布団を収納する際、必ずほこりや汚れは取り除いておきましょう。水洗い禁止のものは、専門の業者にクリーニングに出しておくと安心です。
汚れたまま収納しようとすると、そこからカビなどが発生してしまいます。押し入れやクローゼットのような収納場所は常に締め切らず、定期的に戸を開いて通気性を確保してください。
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まとめ
今回は、羽毛布団を圧縮しないほうが良い理由や、圧縮せずに収納する方法を紹介しました。
羽毛布団の寿命を伸ばすためにも、正しい収納方法を理解することが大切です。ダウンパワーを維持するためにも圧縮は避けるべきですが、収納の関係で圧縮しなければならない場合はダウン率の高い羽毛布団がおすすめです。
羽毛布団の寿命については、羽毛・側生地の素材によって変わります。表参道布団店の「プレミアムRDS Down」は、動物にも環境にもクリーンな「プレミアムマザーグース」を使用。
ダウンパワーは高品質と言われる350db(㎤/g)を上回る450db(㎤/g)となっており、圧縮が必要な環境にもおすすめのアイテムです。
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