羽毛布団のクリーニング料金は、宅配専門店でシングル1枚あたり8,000〜13,000円、店舗持ち込みで6,000〜12,000円が相場です。2枚パックや3枚パックにすると1枚あたりの単価は下がります。

ただし、羽毛布団にとってクリーニングは万能ではありません。膨らみが戻らない、羽毛が減っている、といった症状はクリーニングでは解決せず、打ち直し(リフォーム)でなければ直りません。この記事では、料金相場・適切な頻度・クリーニングと打ち直しの使い分けまでを、羽毛の専門店の立場から整理します。

この記事でわかること

  • 羽毛布団クリーニングの料金相場(宅配・店舗・コインランドリー)
  • クリーニングに出す適切な頻度
  • クリーニングで直ること・直らないこと
  • 打ち直し(リフォーム)との費用比較と使い分け
  • 失敗しないクリーニング店の選び方

羽毛布団クリーニングの料金相場

依頼先別の相場

依頼先シングル1枚あたり納期特徴
宅配クリーニング専門店8,000〜13,000円2週間〜1か月自宅で完結。複数枚パックで単価が下がる
街のクリーニング店(取次)6,000〜12,000円2〜3週間持ち込みが必要。実際の作業は提携工場
寝具メーカー・専門店10,000〜20,000円3週間〜羽毛専門の設備。補修も相談できる
コインランドリー(自分で洗う)1,500〜3,000円その日のうち安いが、乾燥不足のリスクを自分で負う

サイズによる料金差

サイズ料金の目安(宅配の場合)
シングル8,000〜13,000円
セミダブル9,000〜14,000円
ダブル10,000〜16,000円
クイーン・キング12,000〜20,000円(別料金扱いの店も多い)

複数枚パックの相場

宅配クリーニングでは、枚数をまとめるほど1枚あたりが安くなる料金体系が一般的です。

枚数総額の目安1枚あたり
1枚9,000〜13,000円9,000〜13,000円
2枚パック13,000〜18,000円6,500〜9,000円
3枚パック16,000〜24,000円5,300〜8,000円

家族分をまとめて出す、掛け布団と敷き布団を一緒に出すといった使い方だと、単価を抑えられます。

追加料金がかかるケース

  • 防ダニ・抗菌加工:1枚あたり500〜2,000円
  • シミ抜き:500〜3,000円(対応可否は要相談)
  • 破れの補修:1,000〜5,000円
  • 保管サービス:月数百円〜、または数か月無料のプランも
  • 送料:無料の店が多いが、北海道・沖縄・離島は別途かかることが多い

見積もりを比較するときは、「送料込みか」「加工料込みか」を必ず確認してください。表示価格だけを比べると、実際の支払額が逆転することがあります。

羽毛布団はどのくらいの頻度でクリーニングすべきか

結論|3〜5年に一度

羽毛布団のクリーニング頻度は、3〜5年に一度が目安です。毎年出す必要はありません。

理由は二つあります。一つは、カバーを使っていれば本体が直接汚れることは少ないこと。もう一つは、洗浄そのものが羽毛に負担をかけるためです。洗うたびに羽毛の油分は少しずつ失われ、ダウンボールも摩耗します。

頻度を上げたほうがよいケース

  • カバーを使わずに直接使っている(この場合は毎年〜2年に一度)
  • 汗をかきやすい、寝汗が多い
  • ペットと一緒に寝ている
  • 喘息やアレルギーがあり、清潔さを優先したい
  • 飲み物をこぼした、おねしょなどの汚れがついた(この場合はすぐ)

頻度を下げてよいケース

  • カバーを毎週洗っている
  • 朝に布団をめくって湿気を逃がす習慣がある
  • 月に1〜2回、日陰で風を通している

日常の手入れがしっかりできていれば、5年に一度でも十分です。クリーニングより、日々の湿気対策のほうが羽毛布団を長持ちさせます。

クリーニングで直ること・直らないこと

ここが最も誤解されやすい部分です。

症状クリーニングで直るか適切な対処
皮脂汚れ・黄ばみ直るクリーニング
汗のにおい直るクリーニング
ダニ・ハウスダスト直るクリーニング(高温乾燥を含むもの)
表面のシミ直ることが多いクリーニング(シミ抜きオプション)
膨らみが戻らない直らない打ち直し
羽毛の量が減っている直らない打ち直し(羽毛を補充)
側生地の劣化・羽根の吹き出し直らない打ち直し(生地を新調)
羽毛の片寄り一時的に改善するが再発する打ち直し
取れない獣臭軽減するが残ることがある洗浄度の高い打ち直し、または買い替え

クリーニングは「汚れを落とす」サービスであり、「羽毛を蘇らせる」サービスではありません。一時的にふんわりして見えるのは、乾燥機の熱で羽毛がほぐれるためで、ダウンボール自体が回復したわけではないのです。

「クリーニングに出したのに、すぐまたぺちゃんこになった」という相談をよくいただきます。これはクリーニング店の問題ではなく、症状に対して選んだ手段が違っていた、ということです。

打ち直し(リフォーム)との違いと費用比較

打ち直しとは

打ち直しは、側生地を解いて中の羽毛を取り出し、洗浄・除塵したうえで、失われたぶんの羽毛を補充し、新しい側生地に仕立て直す作業です。事実上、新しい布団を作り直すのに近い工程を踏みます。

費用の比較

クリーニング打ち直し買い替え
費用(シングル)8,000〜13,000円40,000〜70,000円30,000〜300,000円
納期2週間〜1か月3週間〜2か月即日〜(受注生産は数週間)
側生地そのまま新品に新品
羽毛の量変わらない補充される新品
膨らみ戻らない戻る新品同様

表参道布団店の布団打ち直し/Clean Cycle Reformは、シングル45,800円から。取り出した羽毛を山梨県白州の地下天然水で洗剤を使わずに洗浄し、不足分は自社のClean Cycle Downで補います。仕上がりの側生地は綿100%の60番手サテン、100番手サテンへの変更も可能です。

どちらを選ぶかの判断基準

次のように考えると整理できます。

  • 汚れ・においが気になるだけ → クリーニング
  • 膨らまない・薄い・羽根が出る → 打ち直し
  • もともとダウン率が低い(70%以下)→ 買い替え

最後の点が重要です。打ち直しは「元の羽毛の質」以上には仕上がりません。もともとフェザー主体の布団を打ち直しても、暖かい布団にはなりません。品質表示ラベルでダウン率を確認してから判断してください。

費用対効果で考える

たとえば、10年前に15万円で買ったグースの羽毛布団があるとします。膨らみが落ちてきたので手を打ちたい、という場面です。

  • クリーニング(1万円)→ 汚れは落ちるが膨らみは戻らない。1〜2年でまた同じ悩みに戻る
  • 打ち直し(4.6万円)→ 膨らみが戻り、側生地も新品に。さらに10年程度使える
  • 買い替え(12万円〜)→ 新品になるが、まだ使える羽毛を捨てることになる

この場合、打ち直しが最も費用対効果が高くなります。一方、3万円のダック羽毛布団であれば、打ち直し費用が本体価格を上回るため、買い替えのほうが合理的です。

詳しい流れと判断基準は布団の打ち直し・リフォームとは?費用・流れ・依頼すべきタイミングを専門店が解説をご覧ください。

コインランドリーという選択肢

費用だけを見れば、コインランドリーは圧倒的に安く済みます。1,500〜3,000円で洗濯から乾燥まで完了します。

コインランドリーが使えるケース

  • 洗濯表示に「水洗い可」とある
  • 側生地が丈夫(綿100%で、ほつれや破れがない)
  • 肌掛け・合い掛けなど、充填量の少ないもの
  • 洗濯機の容量が布団に対して十分にある

コインランドリーのリスク

  • 乾燥不足:最大のリスク。内部に水分が残ると羽毛が固まり、性能が戻らない
  • 生地の破損:古い布団は洗濯中に縫い目が裂けることがある
  • 高温での劣化:乾燥機の高温は羽毛の油分を奪う

本掛け布団(充填量1.2〜1.3kg)は、乾燥に非常に時間がかかります。表面が乾いても内部が湿ったまま、という状態になりやすいため、自分で洗うなら肌掛け・合い掛けまでにとどめるのが安全です。

正しい手順は布団のコインランドリーでの洗い方完全ガイド|羽毛・掛け布団・正しい手順と注意点にまとめています。

宅配クリーニングの流れ|申込みから返却まで

宅配クリーニングは、店舗に持ち込む必要がないぶん手軽ですが、進め方を知っておくと予定が立てやすくなります。

ステップ1|申込み

ウェブサイトから、点数・サイズ・オプション(防ダニ加工、保管サービスなど)を選んで申し込みます。多くの店では、この時点で料金が確定します。

点数の数え方には注意が必要です。掛け布団1枚を1点と数える店がほとんどですが、カバーを1点と数える店もあります。事前に確認してください。

ステップ2|集荷キットの到着

申込みから2〜5日ほどで、専用の集荷バッグが届きます。圧縮袋が同梱されている場合もあります。

ここで注意したいのが、圧縮袋で送る場合の扱いです。輸送のあいだ圧縮された状態が続くと、ダウンの繊維に負担がかかります。数日程度であれば大きな影響はありませんが、羽毛を大切に扱いたい場合は、圧縮しないで送れる店を選ぶという判断もあります。

ステップ3|梱包と発送

  1. カバーを外す(カバーは自宅で洗えます)
  2. 破れ・ほつれがないか確認し、あれば申告する
  3. シミの位置と原因をメモして同封する
  4. 品質表示ラベルを写真に撮っておく(返却後の確認用)
  5. 集荷バッグに入れ、集荷を依頼するか営業所へ持ち込む

ステップ4|検品と洗浄

到着後、店側で検品が行われます。洗えないと判断された場合や、追加料金が発生する場合は、ここで連絡が来ます。

洗浄は水洗い(丸洗い)が基本です。羽毛布団の汚れの大半は汗由来の水溶性なので、ドライクリーニングでは落ちません。

ステップ5|乾燥と仕上げ

羽毛布団の仕上がりは、ほぼ乾燥で決まります。低温でじっくり時間をかける設備があるかどうかが、店による差の出るところです。この工程に時間がかかるため、納期は2週間から1か月程度になります。

ステップ6|返却

返却時は、日時指定ができる店が多くあります。不在で再配達になると、その間ずっと圧縮または梱包された状態が続くため、受け取れる日を指定してください。

ステップ7|受け取り後

届いたらすぐに開封し、広げて風を通してください。梱包中にこもった湿気を逃がし、羽毛を膨らませます。最低でも2〜3時間、可能なら半日おいてから使い始めてください。

寝具の種類別|クリーニングの可否と料金

羽毛布団以外の寝具も、あわせて出すことで単価を下げられます。ただし、種類によって可否と料金が変わります。

寝具水洗いの可否料金の目安(1点)備考
羽毛掛け布団○8,000〜13,000円低温乾燥の設備が重要
肌掛け布団(ダウンケット)○6,000〜10,000円自宅でも洗いやすい
羊毛(ウール)布団△8,000〜13,000円縮むことがある。要確認
綿(木綿)布団×―水を吸って乾かない。打ち直しで対応
真綿(シルク)布団×―繊維が切れる。専門業者へ
化繊の掛け布団○5,000〜9,000円家庭でも洗えることが多い
敷き布団○9,000〜15,000円厚みがあり乾燥に時間がかかる
毛布○2,000〜4,000円家庭でも洗える
こたつ布団○6,000〜10,000円大型のため追加料金のことも
枕素材による2,000〜4,000円羽毛・ポリエステルは可。低反発は不可

綿(木綿)布団は打ち直しで対応する

綿布団は水を吸うと極端に重くなり、内部まで乾かすことができません。そのため水洗いのクリーニングには出せません。

綿布団の場合は「打ち直し」が対応方法になります。中の綿を取り出して機械でほぐし、新しい生地に詰め直す作業です。羽毛の打ち直しとは工程が異なりますが、考え方は同じです。

保管サービスを使うべきか

クリーニング店の多くが、洗浄後に一定期間預かる保管サービスを提供しています。

料金の目安

  • 月額数百円〜1,000円程度
  • 3〜6か月間無料というプランも多い
  • クリーニング料金に込みの場合もある

向いているケース

  • 自宅の収納に余裕がない
  • 押し入れが湿気やすい環境にある
  • 季節ごとに複数枚の布団を入れ替えている
  • 引っ越しを控えている

確認すべきこと

確認項目なぜ重要か
温湿度管理された倉庫か管理のない倉庫では自宅の押し入れと変わらない
圧縮して保管されないか長期の圧縮はダウンの繊維を折る
返却の希望日を指定できるか使い始めたい時期に間に合わないと意味がない
延長できるか、費用は予定が変わることがある
保管中の補償はあるか火災・水害時の扱い

とくに圧縮保管かどうかは確認してください。倉庫のスペース効率を優先して圧縮する業者もあります。羽毛布団にとっては望ましくありません。

クリーニングでよくあるトラブルと対処

トラブル1|戻ってきたらぺちゃんこになっていた

原因:乾燥不足、または過度な圧縮での返送。

対処:まず広げて半日ほど風を通してください。それで戻らない場合は、店に連絡して再乾燥を依頼できるか確認します。もともと羽毛が劣化していた場合は戻りません。

トラブル2|においが出た

原因:すすぎ不足で洗剤が残った、または乾燥不足。

対処:日陰で風を通して様子を見ます。取れない場合は店に相談してください。

トラブル3|羽毛が片寄った

原因:脱水が強すぎた、またはキルトの縫製が甘かった。

対処:布団を広げ、厚い部分から薄い部分へ手で羽毛を移動させます。キルトのマスを越えて移動する場合は、縫製に問題があります。

トラブル4|生地が破れた

原因:もともとほつれていた、または生地が経年劣化していた。

対処:クリーニング事故賠償基準に照らして、店と協議します。出す前に破れの有無を確認し、写真を撮っておくと話が早くなります。

トラブル5|納期が大幅に遅れた

原因:繁忙期の混雑。秋(9〜11月)は需要が集中します。

対処:予防策として、春から初夏に出すこと。どうしても秋に出す場合は、代わりの寝具を用意しておいてください。

失敗しないクリーニング店の選び方

確認すべき5項目

1|洗い方(丸洗いか、ドライか)

羽毛布団は「水洗い(丸洗い)」が基本です。ドライクリーニングは油汚れには強いものの、汗などの水溶性の汚れが落ちません。羽毛布団の汚れの大半は汗由来なので、水洗いでなければ意味がありません。

2|単独洗いかどうか

他人の布団と一緒に洗われる「まとめ洗い」を採用している業者もあります。料金は安くなりますが、汚れの移りや取り違えのリスクがあります。単独洗いを明記している店を選んでください。

3|乾燥方法

羽毛布団の仕上がりは、ほぼ乾燥で決まります。高温で一気に乾かすと羽毛が傷むため、低温でじっくり時間をかける設備があるかを確認してください。「専用のタンブラー乾燥機」「低温乾燥」といった記載があれば、羽毛を理解している業者です。

4|補修の可否

洗浄前に小さな破れを補修してくれるかどうか。これを怠ると、洗濯中に破れが広がり、羽毛が出てしまいます。

5|賠償規定

万一の破損時にどう対応するかが明記されているかを確認してください。クリーニング事故賠償基準に準拠しているかが一つの目安です。

避けたほうがよい店の特徴

  • 料金だけを前面に出し、洗い方や乾燥方法の説明がない
  • 「どんな布団でも洗えます」と無条件に謳っている
  • 納期が極端に短い(羽毛の乾燥には時間がかかります)
  • 羽毛布団とそれ以外の布団を区別していない

出すときの注意点は羽毛布団をクリーニング専門店に出すときの注意点にも詳しくまとめています。

クリーニングに出す前にやっておくこと

  1. 洗濯表示を確認する:「水洗い不可」の場合、対応できる店が限られます
  2. 品質表示ラベルを写真に撮る:ダウン率・充填量の記録になります
  3. 破れ・ほつれを確認する:あれば申告し、補修を依頼します
  4. シミの位置と原因を伝える:何をこぼしたかがわかると落ちやすくなります
  5. カバーは外す:カバーは自宅で洗えます
  6. 代わりの布団を用意する:2週間〜1か月戻ってきません

出す時期

もっとも適しているのは春から初夏(4〜6月)です。理由は三つあります。

  • 使い終わったばかりで、一冬分の汚れを持ち越さずに済む
  • クリーニング店の繁忙期を外せるため、納期が短く、キャンペーンもある
  • 戻ってきたあと、そのまま清潔な状態で保管に入れる

秋(9〜11月)は、使い始める直前ということもあって需要が集中し、納期が延びがちです。どうしてもこの時期に出す場合は、早めに動いてください。

料金が変わる条件

同じ「羽毛布団1枚」でも、条件によって料金は変わります。見積もりを比較するときは、次の項目が含まれているかを確認してください。

条件料金への影響確認のポイント
サイズシングル比でダブル+20〜30%クイーン・キングは別料金扱いのことも
点数枚数が増えるほど単価は下がるカバーを1点と数える店もある
送料無料の店が多い北海道・沖縄・離島は別途のことが多い
防ダニ・抗菌加工+500〜2,000円必要性は環境次第
シミ抜き+500〜3,000円対応可否は事前に相談
補修+1,000〜5,000円破れを放置すると洗濯中に広がる
保管月数百円〜、無料期間ありも温湿度管理の有無を確認
急ぎ仕上げ+1,000〜3,000円羽毛は乾燥に時間がかかるため対応外のことも

「1枚あたり」表示のからくり

宅配クリーニングでは「1枚あたり4,980円」といった表示をよく見かけますが、これは3枚パックなどをまとめた場合の単価であることがほとんどです。1枚だけ出す場合の料金は、この2倍前後になります。

家族分をまとめる、掛け布団と敷き布団を一緒に出すといった使い方であれば、表示どおりの単価に近づきます。

出す前にやっておくと得をすること

写真を撮っておく

次の3点を撮影しておくと、万一のときに話が早くなります。

  • 品質表示ラベル:ダウン率・充填量・素材の記録
  • 全体の状態:厚みと大きさがわかる角度で
  • 既存の傷・シミ:もとからあった損傷の証拠

クリーニング事故は、「もともとあった損傷か、作業中についたか」で争いになります。出す前の記録があれば、確認がすぐ済みます。

破れは申告する

小さなほつれでも、洗濯中の水流で大きく裂けることがあります。申告しておけば、先に補修してから洗ってもらえます。黙って出すと、返却時に「もともと破れていた」と説明されても反論できません。

シミの原因を伝える

何をこぼしたかがわかると、適切な処理方法が選べます。「原因不明のシミ」より落ちる確率が上がります。

クリーニング後のメンテナンス

戻ってきた布団を、そのまま押し入れに入れるのはもったいない使い方です。

受け取り直後

  1. 梱包をすぐに開ける
  2. 平らな場所に広げ、2〜3時間風を通す
  3. 厚みが均一か、片寄りがないか確認する
  4. においがないか確認する

梱包されたままだと、輸送中にこもった湿気が抜けません。また、圧縮されていた場合は、羽毛が膨らみを取り戻すのに時間がかかります。

すぐ使う場合

風を通したあと、洗ったカバーを掛けて使い始めてください。

保管する場合

クリーニング店の包装袋(ビニール)に入れたまま保管しないでください。湿気が逃げず、カビの原因になります。通気性のある不織布の袋に移し替えてから、押し入れの上段にしまいます。

年間のメンテナンス計画

クリーニングは3〜5年に一度ですが、そのあいだの手入れが状態を決めます。年間の流れを決めておくと、迷わずに済みます。

時期やること
毎朝起きたら布団をめくり、10〜15分湿気を逃がしてから整える
毎週カバー・シーツを洗濯する
月1〜2回風通しのよい日陰で1〜2時間干す
3〜4月本掛けを乾かして収納する。クリーニングに出すならこの時期
6〜8月クリーニングの閑散期。出すなら納期が短い
9〜10月収納から出し、2〜3時間風を通してから使い始める
年1〜2回収納スペースを開けて換気する
3〜5年に一度クリーニング
10年前後状態を見て、打ち直しまたは買い替えを判断

クリーニングに出さずに済ませる日常の手入れ

羽毛布団を清潔に保つのに、クリーニングは必須ではありません。日常の手入れのほうが効果的です。

  • カバーを必ず使う:本体の汚れの9割はこれで防げます。週に一度洗濯
  • 朝、布団をめくる:起きてすぐ整えず、10〜15分めくって湿気を逃がす
  • 月に1〜2回、日陰で風を通す:1〜2時間で十分。直射日光は避ける
  • 布団たたきで叩かない:ダウンの繊維が折れます
  • シーズンオフは通気性のある袋で保管:圧縮袋は避ける

手入れの詳細は羽毛布団の正しいお手入れ・メンテナンス方法 〜洗濯編〜、干し方はカビを防ぐ干し方編、保管は保管編をご覧ください。

オプション加工は必要か

防ダニ加工

薬剤によってダニを寄せつけにくくする加工です。1枚500〜2,000円程度で追加できます。

ただし、羽毛布団に関しては優先度は高くありません。ダニは湿気と皮脂を好むため、そもそも湿気を逃がす羽毛布団は繁殖しにくい環境です。また、カバーを使い、定期的に洗濯していれば、本体にダニが入り込む量は限られます。

加工より効果があるのは、次の3つです。

  • カバーを毎週洗濯する
  • 朝起きたら布団をめくって湿気を逃がす
  • 寝室の湿度を50〜60%に保つ

ダニ対策の全体像は布団のダニ対策完全ガイド|退治・予防・素材別の繁殖しやすさを専門店が解説をご覧ください。

抗菌・消臭加工

においが気になる場合に検討する価値があります。ただし、においの原因が羽毛の洗浄不足にある場合、加工では根本的に解決しません。この場合は、洗浄度の高い打ち直しか買い替えが適切です。

撥水加工

寝具では一般的ではありません。むしろ通気性を損なうため、羽毛布団には推奨しません。

アレルギーがある場合

ぜんそくやアレルギー性鼻炎がある場合、クリーニングの考え方が少し変わります。

頻度を上げる価値がある

通常は3〜5年に一度で十分ですが、症状がある場合は1〜2年に一度でも意味があります。アレルゲンとなるのは、ダニの死骸やフン、ハウスダストで、これらは水洗いで除去できます。

高温乾燥を含む工程を選ぶ

ダニは50℃以上の熱で死滅します。クリーニングの乾燥工程がこの温度に達していれば、ダニ対策としても機能します。ただし、羽毛への負担を考えると高温すぎるのも問題なので、店側の設定を確認してください。

羽毛そのものがアレルゲンとは限らない

「羽毛アレルギー」と言われるものの多くは、羽毛そのものではなく、羽毛に残った汚れやダニに反応しているケースです。十分に洗浄された羽毛であれば、症状が出ないこともあります。

詳しくは羽毛アレルギーの原因・症状・対策【専門店が解説】アレルギーでも使える羽毛布団の選び方と羽毛布団を使うと喘息になる?正しい原因と対処法を解説をご覧ください。

よくある質問

羽毛布団のクリーニング料金はいくらですか?

宅配クリーニングでシングル1枚8,000〜13,000円、店舗持ち込みで6,000〜12,000円が相場です。2枚・3枚パックにすると1枚あたりの単価は下がります。

羽毛布団はクリーニングに出すべきですか?

汚れやにおいが気になる場合は出す価値があります。ただし膨らみが戻らない、薄くなったという症状はクリーニングでは直りません。その場合は打ち直しを検討してください。

羽毛布団のクリーニング頻度はどのくらいですか?

3〜5年に一度が目安です。カバーを使い、日常的に湿気を逃がしていれば、それ以上の頻度は必要ありません。

クリーニングに出すと羽毛は傷みますか?

ある程度は傷みます。洗浄のたびに羽毛の油分が失われ、ダウンボールも摩耗します。だからこそ頻度を上げすぎないことが大切です。適切な設備を持つ店であれば、傷みは最小限に抑えられます。

自宅の洗濯機で洗えますか?

肌掛けなど充填量の少ないものであれば、洗濯表示に「水洗い可」とあれば洗えます。本掛けは乾燥に時間がかかり、内部に水分が残るリスクが高いため、家庭での洗濯は推奨しません。

クリーニングと打ち直し、どちらが得ですか?

症状によります。汚れだけならクリーニング、膨らみが落ちているなら打ち直しです。ただし、もともとダウン率が低い布団は打ち直しても性能が上がらないため、買い替えを検討してください。

クリーニング後にまたぺちゃんこになりました

クリーニングでは羽毛そのものは回復しないためです。乾燥機の熱で一時的にほぐれていたものが、使用とともに元に戻ったと考えられます。この場合は打ち直しが適切な選択です。

保管サービスは使ったほうがいいですか?

自宅の収納に余裕がない、湿気の多い環境である、といった場合には有効です。ただし保管環境が適切かどうかは確認してください。温湿度管理がされていない倉庫では、自宅の押し入れと変わりません。

クリーニングに出したら小さくなった気がします

羽毛布団自体が縮むことは基本的にありません。考えられるのは、乾燥後に羽毛が十分ほぐれていないことです。広げて半日ほど風を通し、端を持って上下に振ってください。それで戻らない場合は、店に相談してください。

何枚もまとめて出したほうが得ですか?

単価は下がります。ただし、戻ってくるまでの2週間から1か月、すべての布団が手元にない状態になります。代わりの寝具があるか確認してから決めてください。季節をずらして出すという方法もあります。

クリーニングの領収書は保管すべきですか?

保管してください。仕上がりに問題があった場合、依頼内容と料金の記録になります。あわせて、出す前に撮影した写真も残しておいてください。

羽毛布団のカバーもクリーニングに出しますか?

不要です。カバーは家庭の洗濯機で洗えます。出す前に外して、自宅で洗ってください。カバーを一緒に出すと点数に数えられ、料金が上がる店もあります。

クリーニングと打ち直しを同時にできますか?

打ち直しの工程には洗浄が含まれるため、別々に依頼する必要はありません。打ち直しに出せば、洗浄も同時に行われます。

クリーニングに出したあと、すぐ使えますか?

届いたらすぐに開封し、平らな場所に広げて2〜3時間風を通してから使ってください。梱包中にこもった湿気が抜け、圧縮されていた羽毛が本来の厚みに戻ります。包装袋のまま保管すると、湿気が逃げずカビの原因になります。

まとめ

  • 羽毛布団のクリーニング料金は、宅配でシングル8,000〜13,000円、店舗で6,000〜12,000円が相場
  • 頻度は3〜5年に一度で十分。カバーと日常の湿気対策のほうが効果が大きい
  • クリーニングで直るのは汚れ・におい・ダニ。膨らみと羽毛の量は直らない
  • 膨らみが落ちている場合は打ち直し(4〜7万円)が適切。もともとダウン率が低ければ買い替え
  • 店選びでは「水洗い・単独洗い・低温乾燥・補修対応・賠償規定」の5点を確認する
  • 出す時期は春から初夏が最適。秋は混み合う

表参道布団店では、クリーニングでは戻らなくなった羽毛布団を、洗浄と羽毛の補充によって仕立て直す「Clean Cycle Reform」をご用意しています。山梨県白州の地下天然水で、洗剤を使わずJIS規格の2倍まで洗浄します。

布団打ち直し/Clean Cycle Reform(シングル¥45,800〜)

買い替えをご検討の方へ|表参道布団店の掛け布団を見る