羽毛布団を使うメリット・デメリットとは?羽毛布団を選ぶ際のポイントも解説
羽毛布団には、寒い季節でも快適に過ごしやすくしっかりと体を温めてくれるメリットがあります。一方で、製品によっては重たさや暑苦しさを感じることもあるため、機能性も考えて自分に合う一枚を探す必要があるでしょう。
ここでは、羽毛布団のメリット・デメリットと安心して使える羽毛布団の選び方について紹介します。羽毛布団の正しい選び方や見極めポイントを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
羽毛布団のメリット
羽毛布団のメリットは、「使いやすさ」や「メンテナンス性」など。4つのポイントに分けて考えられます。一枚は用意しておきたい羽毛布団について、長所を確認していきましょう。
オールシーズン快適に過ごせる
羽毛布団を用意しておけば、オールシーズンにわたって快適に過ごせます。タオルケットや薄手の布団だけでは寒さを防ぎきれない厳しい真冬日にも、一枚だけでしっかりと体温を逃さず保温します。
羽毛布団は基本的に真夏以外のすべての時期に適しており、真夏でも一日中エアコンを付けて冷やしているような部屋では、就寝時の冷え防止に活躍します。
厚手の「本掛け」以外にも、本掛けを薄くした「合掛け」や「肌掛け」が選べるので、ちょうど良い厚みの一枚をオールシーズン用に用意しておくと良さそうです。
軽いので干すのが楽
羽毛布団に使われている鳥の羽はとても軽く、たっぷりと詰め込んでも布団が重たくなりづらい特徴があります。湿気を吸ってしまうと重たくなっていきますが、定期的に洗濯乾燥を行えば軽さが続き、快適に使用できるでしょう。
基本的に、ダブルサイズのような大きな羽毛布団以外は取り扱いがしやすく、一人でも簡単に持ち運べます。羽毛を覆っている側生地が軽量化されていれば、羽毛の軽さとの相乗効果でさらに取り扱いやすいでしょう。
洗濯後にしっかりと乾燥機で脱水すれば、物干しやソファーの背もたれにも簡単にかけられます。
体にフィットして温かさを逃さない
羽毛布団は水鳥の毛を素材として使っているため、天然の素材が体を優しく包み込んでくれます。適度な軽さがあるため体に無理なくフィットし、重圧感も少ないため、高齢の方や小さなお子さんも快適に就寝できます。
毛布を何枚も重ねたときのような重苦しさを感じることなく、適度なボリューム感が魅力的です。触ったときにフワフワとして手触りが良く、体を預けたくなるような心地よさがあります。
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リフォームして長く使える
羽毛布団は使っていくうちに羽が抜けてしまい、ボリューム感が減る場合があります。「へたり」や「凹み」が発生したときは、抜けた分の羽毛を再充填することで、元のようにフワフワとした感触に仕上がります。
羽毛布団のメンテナンスはリフォーム・打ち直しなどとも呼ばれており、再利用できるように羽毛の洗浄や丁寧な縫製、場合によっては側生地の取り替えなどを行います。プロの業者が専門の技術をもって対応するので、自分自身で手入れをする必要がありません。
一度リフォームをしておけば、その後数年は使い続けられます。自宅での洗濯・乾燥と合わせてリフォームを活用しながら、愛用の羽毛布団を長持ちさせたいですね。
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羽毛布団のデメリット
羽毛布団にはメリット以外に意識しておきたいデメリットもあります。長く使っていくうちに現れるデメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。
臭いが気になる場合もある
羽毛は天然の水鳥から採取した素材のため、水鳥が普段食べている飼料の種類や鳥の種類によっては獣のような臭いを感じる場合があります。
特に羽毛に油分を多く含んでいるダックなどは、油脂がしっかりと香ってきて強い臭いに感じられる場合もあります。
羽毛は洗浄を何度も繰り返し、羽毛布団の材料として充填されています。しかし、出荷の段階から素材のもつ臭いを完全に消し切ることはできません。
羽毛布団の臭いが気になるときは、布団をよく乾かして中の空気を入れ替えることで、いやな臭いを感じにくくなっていきます。
関連記事:羽毛布団が臭いときの原因と対処方法を紹介
羽根が出てくる可能性がある
羽毛布団といえば羽が飛んでしまうトラブルがみられますが、これには二つの理由が考えられます。
まず、羽毛が羽軸(うじく)と呼ばれる中心の硬い筋を持っており、その軸が生地を破ってしまうケースです。フェザーと呼ばれる羽毛は羽軸がしっかりとした硬さを持っているために、羽毛の生地が負けてしまう場合があります。
次に、羽毛を覆っている側生地の傷みが挙げられます。目視しにくい細かいすき間、糸と糸の間の部分、破れ・裂け目などから羽根が出てきてしまうのです。
羽根がアレルゲンになるおそれも
羽根飛びには、アレルギーを引き起こすリスクも潜んでいます。羽根が飛ぶと羽毛に含まれるタンパク質が空気中に発散され、それを吸い込んでしまうと体内ではアレルギー反応が起きやすくなります。
羽毛布団にはさまざまな種類が揃っていますが、側生地がやわらかくフェザーなどの硬い羽根に負けやすいもの、ダウンではなくフェザーを使っているものは、アレルギーを気にされる場合避けたほうが良いでしょう。
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羽根布団と羽毛布団の違い
水鳥の毛をたっぷりと詰め込んだ布団は「羽毛布団」と呼ばれますが、実はダウンとフェザーのどちらかではなく、どちらも含まれているものが一般的です。
羽毛布団は、ダウンが50%以上含まれており、フェザーが50%以下の布団の総称です。「ダウン100%」とされている製品は1%までの誤差が認められているため、99%以上のダウン率であれば100%の表記が可能です。
フェザーとの混合率は「ポーランド産 マザーグース ダウン95%」のように、羽毛のうちどれだけの割合をダウンが占めているかで表記されています。
それに対して、詰め物にフェザーが多い布団は「羽根布団」と呼ばれます。フェザーには硬い羽根というイメージがありますが、ダウンに劣らない柔らかい手触りと、硬すぎず側生地を傷つけにくい羽軸が特徴の「スモールフェザー」を使った布団も登場しています。
羽根布団は羽毛布団に比べて価格が安く抑えられていますが、温かさではダウンのほうが優秀です。柔らかさや布団が長持ちしやすいといった点からも羽毛布団がおすすめです。
関連記事:羽毛布団にはどんな種類がある?
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安心して使える羽毛布団を選ぶ際のポイント
安心して使える羽毛布団を選ぶためには、どのようなポイントに注意するべきなのでしょうか。「羽毛の産地を確認する」「適性価格であるか確認する」という2点について詳しくみていきましょう。
羽毛の産地を確認する
羽毛布団に使われている鳥の毛は、欧米諸国やアジアなどで採取されています。代表的な国としてはポーアンド・チェコ・ハンガリー・フランスなどが有名です。
日本で流通しているダウンの多くはアジア原産ですが、ポーランド産やドイツ産など、北緯50度の「ダウンベルト」エリアで育てられたグースのダウンがもっとも高品質とされています。羽毛布団の品質を調べるうえでも、どのエリアで採取されたダウンなのかを確認してみてください。
関連記事:羽毛布団に使われる羽毛の産地・特徴は?こだわるべきポイント
適正価格であるか確認する
羽毛布団を見極めるポイントとしては、縫製や素材選びがきちんと行き届いていることがまず挙げられます。ダウンやフェザーの産地、側生地の種類、ダウンパワーや取得済みのラベルなどを確認して、適性価格かどうかを判断するようにしてください。
ダウンパワーが小さく手触りや使い心地が良くないもの、購入前から羽根飛びを起こしているものなどは、価格が安くても購入は控えたほうが良いでしょう。
「高級品」と呼ばれるものでも数十万円もの高額販売が行われているものは、同じグレード・ラベルの製品と比較してから購入することをおすすめします。
グースダウンを選ぶ
「ダウン」は水鳥の柔らかい胸元の羽毛を指します。ダウンとは反対に翼部分にある「フェザー」は羽軸が通っており一定の硬さがあるため、生地を突き破るおそれがあり、羽根飛びを防ぐためにはダウンがおすすめです。
羽毛布団に使われている鳥はダックとグースに分けられますが、ダックは一つひとつの羽根が小さいため、サイズが一回り大きなグースのほうが保温力を実感しやすいといえます。
関連記事:羽毛布団の購入前に押さえておきたいグースとダックの違いとは?
洗浄度を調べる
羽毛布団製品には、「洗浄度(清浄度)」と呼ばれる羽毛の洗浄度合いを示す数値が記載されています。洗浄度はJIS規格で定められており、タグや商品の説明書きなどに書かれているため、洗浄度をみて羽毛布団の清潔度がチェックできます。
羽毛を洗った最後の水の透明度を調べてレベルを算出し、単位はmmが使われます。一般的な業界の水準では500mmとなっていますが、一般財団法人科学技術振興会(CIL)の羽毛原料認証では800mm、高品質のものは1000〜1500mm程度まで透明度がアップします。
関連記事:羽毛布団のランクはラベルで見分けられる?ラベルごとの品質を解説
まとめ
今回は、羽毛布団のメリット・デメリットと安心して使える羽毛布団の選び方について紹介しました。羽毛布団のデメリットを避けるためには、品質にこだわった羽毛布団を選ぶことが大切です。
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