羽毛布団の膨らませ方【6ステップ】ぺちゃんこを自宅で直す方法を専門店が解説
「圧縮袋から出したらぺちゃんこのまま」「洗ったら薄くなってしまった」「以前のふわふわ感が戻らない」——そんな方に向けた記事です。
羽毛布団がぺちゃんこになる原因は主に「乾燥不足」「羽毛のダマ(絡まり)」「長期圧縮による変形」の3つです。
原因によって対処法が違うため、まず自分の布団の状態を確認してから対処することが大切です。
この記事では、25年以上布団を扱ってきた表参道布団店が、自宅でできる膨らませ方の手順と、直らない場合の対処法を解説します。
「圧縮袋で保管していた羽毛布団が膨らまなくなった」「快適性を取り戻すため膨らませ方を教えてほしい」などと考えていませんか。羽毛布団がぺちゃんこになると、保温性などは低下します。安価なものではないため、元の状態に戻したいと考えている方は多いでしょう。
ここでは、ぺちゃんこになった羽毛布団の膨らませ方と羽毛布団の正しいお手入れ方法などを解説しています。羽毛布団の状態でお困りの方は参考にしてください。
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まず確認|ぺちゃんこになる原因はどれ?
対処法を選ぶ前に、まずどのパターンかを確認してください。
| 原因 | こんな状態 | → 対処法 | |
| ① | 乾燥不足・湿気 | 洗った後・梅雨明けにぺちゃんこ。干すと少し戻る | 乾燥機(コインランドリー)or天日干し |
| ② | 羽毛のダマ(絡まり) | 一部だけ盛り上がる・触るとしこりがある | 手でほぐしてから乾燥機 |
| ③ | 長期圧縮 | 圧縮袋に数ヶ月入れていた。乾燥機をかけても戻らない | 乾燥機+手ほぐしを繰り返す。改善しなければ打ち直し |
| ④ | 羽毛の劣化 | 10年以上使用。何をしても戻らない | 打ち直し・リフォームが必要 |
羽毛布団の膨らませ方
ステップ① 布団の状態を確認する
洗濯表示を確認し、水洗いOKかどうかを確認します。洗える場合は「ステップ③」へ。洗えない場合は「ステップ②」の乾燥機・天日干しで対応します。
ステップ② 天日干し(日陰干し)をする
乾燥不足が原因の場合、まず天日干しで改善するか試してください。
- 布団カバーを外す
- 晴れた日の午前10時〜午後2時に、風通しの良い日陰で物干し竿2本にM字掛けで干す
- 1〜5時間ごとに表裏を返す(合計2〜3時間)
- 取り込んだら手でたたいて羽毛を広げる
ステップ③ 手でダマをほぐす
表面を触ってしこりやダマがある場合は乾燥機の前にほぐします。
- 布団を広げ、ダマになっている箇所を特定する(触るとしこりのようになっている)
- 両手でそのマス目を外側からポンポンと優しく叩く
- 全体をほぐしてから乾燥機にかけると仕上がりが良くなる
ステップ④ コインランドリーの乾燥機にかける【最も効果的】
乾燥機のタンブル効果(ドラムが回転して叩く効果)で羽毛がほぐれてふわふわに戻ります。
- シングルなら10〜12kgの大型乾燥機を使用する
- テニスボールを2〜3個(靴下に入れたもの)と一緒に入れるとより効果的
- 温度設定は低温〜中温(60℃以下)。高温はNG(羽毛のたんぱく質が傷む)
- 時間の目安:シングル60〜80分
- 30分後に一度取り出してほぐし、再投入するとムラなく仕上がる
| ❌ 高温設定は絶対にNG
羽毛はたんぱく質(ケラチン)でできています。高温にさらすと羽枝が切れて保温力が永久に低下します。必ず低温〜中温を選んでください。 |
ステップ⑤ 取り出してすぐに手でたたく
乾燥機から取り出したらすぐに布団を広げ、手のひらでキルトのマス目ごとにポンポンと叩いて羽毛を均等に広げます。この作業をしないと冷えるにつれて羽毛が固まってしまいます。
ステップ⑥ 完全に冷ましてから収納する
乾燥機から出した直後は羽毛が熱を持っています。30分以上広げたまま冷ましてから収納してください。熱いまましまうと湿気がこもりカビの原因になります。
乾燥機をかけても膨らまない場合の対処法
原因1:汚れ(汗・皮脂)でダウンボールがコーティングされている
長年洗っていない布団は、汗・皮脂が羽毛にこびりついてダウンボールが動けない状態になっています。乾燥だけでは改善しません。
→ 専門クリーニングで丸洗いし、汚れを落とすことで膨らみが復活することがあります。
原因2:長期間の圧縮でダウンボールが変形している
数ヶ月以上圧縮袋に入れていた場合、ダウンボールが恒久的につぶれている場合があります。
→ 乾燥機を複数回かけることで多少改善する場合がありますが、完全には戻らないことも。打ち直しリフォームで羽毛を取り出して洗浄・再生する方法が根本的な解決策です。
原因3:羽毛そのものが劣化している(10年以上使用)
10年以上使用した布団は羽毛のダウンボールが細かく砕けてしまっており(ファイバー化)、乾燥機をかけても復活しません。
→ 打ち直し・リフォームで内部の羽毛を洗浄・選別・再生する方法をご検討ください。
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羽毛布団の正しいお手入れの方法
羽毛布団のトラブルは、正しいお手入れを心がけることで防ぎやすくなります。ここでは、基本のお手入れ方法を紹介します。
月に1~2回天日干しする
湿気を取り除くため、月に1~2回を目安に天日干しをします。湿気を取り除くことで、ダニやカビの繁殖を予防できるうえダウンボールも膨らみやすくなります。天日干しをする時間の目安は片面1時間ずつ程度です。
長時間、干さない理由は、紫外線で側生地を傷めてしまう恐れがあるからです。側生地が傷むと、羽毛の吹き出しなどのリスクが高まります。この点が心配な方は、布団カバーをかけたまま天日干しをするとよいでしょう。
定期的に洗濯する
羽毛布団は基本的に水洗いできます。洗濯することでダニや汚れなどの大部分を取り除けます。定期的な洗濯も取り組みたいお手入れです。ただし、家庭で洗濯した布団を完全に乾かすことは難しいかもしれません。
特に、厚手の羽毛布団は注意が必要です。湿気ったまま取り込むと、ダニやカビが繁殖する原因になりえます。したがって、家庭での洗濯は基本的におすすめできません。
不安を感じる方は、専門店をできるだけ利用しましょう。
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洗濯表示を事前に確認する
自宅で洗濯する場合は、洗濯前に洗濯表示の確認が必要です。洗濯桶マークあるいは手洗いマークがついているものは家庭で洗濯できます。反対に、洗濯桶マークにバツがついているものは家庭で洗濯できません(〇にPマーク、〇にFマークはドライクリーニングが可能です)。
また、洗濯機を使用する場合は、洗濯機が羽毛布団に対応していることも確かめておく必要があります。対応の可否は、説明書などで確認できます。
羽毛布団の中の空気を入れ替える
程度の差はあるものの、羽毛布団は特有のにおいがあります。羽毛が含む油脂によるにおいです。高温多湿になるとにおいは強くなる傾向があります。においが気になる場合は、布団中の空気を入れ替えます。
具体的な方法は、布団をたたんでなかの空気を優しく押し出すだけです。この作業を数回繰り返すことでにおいを軽減できます。
関連記事:羽毛布団の寿命を左右するポイントと、長持ちさせるメンテナンス方法
羽毛布団の正しい収納方法
羽毛布団の収納方法にも注意が必要です。誤った方法で収納すると、ぺちゃんこになってしまう恐れがあります。ここからは正しい収納方法を紹介します。
シーツに包む
羽毛布団は湿気を取り除いてからシーツに包んで収納します。湿気は、風通しのよい場所で陰干しなどをすれば取り除けます。急いでいるときは、扇風機などで風をあてるとよいでしょう。
たたみ方は、シングルとダブル以上で異なります。前者は縦に三つ折り、後者は四つ折りしてから横に三つ折りします。コンパクトにしたいときは、羽毛布団を優しく押して空気を抜きます。
オフシーズンは収納ケースに入れる
季節が変わったなどの理由でしばらく使わないときは、湿気をよく取り除いてから専用の収納ケースに入れて保管します。購入時についていたケースまたはバッグでも構いません。
ポイントは、ファスナーを完全に閉めないことです。数センチ程度空けて、湿気がこもらないようにします。収納場所がない場合も、圧縮袋の使用はおすすめできません。羽毛に加え側生地も傷めてしまう恐れがあります。羽毛布団は丁寧に扱いましょう。
高級布団をお探しの方は以下をご覧ください。
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よくある質問
Q1. 圧縮袋から出した羽毛布団が膨らみません。どうすればいいですか?
- コインランドリーの大型乾燥機(低温・60〜80分)にかけてください。テニスボールを一緒に入れるとより効果的です。短期間の圧縮(2週間以内)なら改善できることがほとんどです。数ヶ月以上圧縮していた場合は改善に時間がかかる場合があります。
Q2. 洗ったら羽毛布団がぺちゃんこになりました。
- 乾燥不足が原因です。コインランドリーの高温乾燥機で60〜80分かけ直してください。柔軟剤を使った場合は、もう一度すすいでから乾燥させてください。
Q3. 乾燥機にかけても膨らみません。捨てた方がいいですか?
- 捨てる前に打ち直し・リフォームをご検討ください。特に高品質な羽毛布団(グースダウン・マザーグースダウン)の場合、羽毛を取り出して洗浄・再生することで新品同様に復活できる場合があります。
Q4. 羽毛布団はどのくらいで元のふわふわに戻りますか?
A. 乾燥不足が原因なら乾燥機1回(60〜80分)で改善することがほとんどです。羽毛のダマが原因なら、手でほぐしながら乾燥機を2〜3回繰り返すことで改善します。長期圧縮・劣化が原因の場合は、自宅での対処に限界があります。
まとめ
羽毛布団をふわふわに膨らませるには、まず原因を特定することが大切です。
- 乾燥不足が原因 → コインランドリーの乾燥機(低温・60〜80分)で解決
- ダマが原因 → 手でほぐしてから乾燥機
- 長期圧縮が原因 → 乾燥機を繰り返す。改善しなければ打ち直し
- 劣化が原因 → 打ち直し・リフォームが根本解決
「何度やっても膨らまない」「10年以上使っている」という場合は、捨てる前にぜひ打ち直し・リフォームをご相談ください。
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